【超短編小説】東京か...あの街は僕には忙しすぎるよ。〈前編〉

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2020年4月21日

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「東京か...あの街は僕には忙しすぎるよ。」

 

そういった彼は自分よりも年下で、その時の自分にはそんな感覚が全くなかった。

 

 

東京に来て、1ヶ月経つ。

 

先月の終わりに人並み以上に長くいた大学生活(6年間)に終止符を打ち、

いざ、すぐに就職...!!というわけにもいかず...

 

 

...というのも自身の就職は6月だからである。

 

つまり4月5月の2ヶ月が丸々フリーの期間になるわけだ。

 

大学にはもう単位のために授業を受けに行く必要もないし、アルバイトももう3年くらい同じことをやったし、地元にいる必要性もあまりないと感じた。

というよりもそんな丸々2ヶ月フリー期間があるなら、また外の世界が知りたいという興味を抑え切れないでいた。

 

この2ヶ月を大学生活と同じようにアルバイトに明け暮れるように過ごす手段もあっただろう。その方がお金も貯まるし、実家暮らしで楽もできる。

 

だけど、そんな退屈な生活を僕はしたくなかった。

 

「ちょっとでも何か刺激のある環境にいたい」

「何か学べるところに行きたい」

 

そんなどこか潤いを求めるようなダサい思いが頭いっぱいに広がっていた。

そう考えたら、もう退屈な日々で我慢できるほど忍耐強くないのが自分だ。それは自分が一番よくわかってるはずだ。

確か海外を旅すると決めた時もこんな感じの感覚だった気がする。

 

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そこからはWantedlyなどの採用媒体を使ってひたすらインターンの募集を探した。

 

15社くらいに応募して、その中から受かったまだ会社ができて3年目になるホテルのベンチャー企業インターンをさせてもらえることが決まった。

 

そんなこんなでまた飽きもせずにインターンとやらに参加しているというわけだ。

 

前回インターンをした時は北海道にあるホテルでのインターンだった。

大自然に囲まれてのインターン生活は健康的でいわゆるヘルシーな生活でしかなかった。

 

ランニングをしに一歩外に出れば、川のせせらぎの音をBGMにしながら、ひんやりとした冷たい空気が肌をかすめ、時折目の前を鹿が横切るような大自然を感じずにはいられなかった。

 

でも今回は大都会「東京」

 

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